タッピングねじ豆知識

「タッピングねじ」とは?

「タッピングねじ」とは、下穴(あらかじめ開けた穴)にねじ込むだけで、自ら相手材にねじ山を形成していくねじのことを指します。つまり、ナットやタップ加工済みの雌ねじがなくても、ねじを締め込むだけで固定できるのが特徴です。

タッピングねじの特徴

  • 自己ねじ立て機能 先端やねじ山の形状が特殊で、ねじ込むときに相手材を削りながら雌ねじを作ります。
  • 下穴が必要 まったく穴がないところに打ち込むのではなく、材質に応じた適正径の下穴を開けてから使用します。
  • 追加のナット不要 板金や樹脂などに直接ねじ込めるため、部品点数を減らせます。
  • 繰り返し使用は制限あり 一度形成したねじ山は強度が落ちやすいため、頻繁な着脱には不向きです。

小ねじやボルト、木ねじとの違い

通常ねじというものには、雌ねじと雄ねじというものがあり、この二つを組み合わせることによって、きつく安定した連結を可能としています。

雄ねじとは棒部分の外側に溝が切られているねじのことであり、例えばボルトがそれに当たります。

これに対して、雌ねじとは筒状になっておりその内側に溝が切られているものをさし、例えばナットのことをいいます。

雄ねじと雌ねじとで部材を挟んで締めることで連結することができます。

これがねじの基本の作用ですが、タッピングねじというものは、これにあたるものではなく、簡単にいえば雌ねじを必要としてないねじのことをいいます。

また、タッピングねじを使用する際は、締結する部材に溝が切られていなくても締結可能であり、部材に直接締結することになります。これは、タッピングねじがねじ自身で直接部材にねじ立てしながらねじ込みすることができる性能を持っているためであり、タッピングねじを使用する際には部材に溝をきらずに下穴をあけておくだけで使うことができます。そのため非常に作業性がよく、日用品や家具などによく使用されているほか、プロのみでなくDIYにおいて小ねじ類とともによく使用されているねじです。

使用時の注意点としては、タッピングねじを締める際には、タッピングねじ自身で締めながら雌ねじ立てていくことになるため、使用時に部材の切粉が発生することがあるという点です。

発生する切粉をうまく処理しなければ、締まりが浅く見た目が悪くなることもあります。

このほかで言えば、下穴を軽く開けただけでタッピングねじを締めていくため、ある程度の力を加えながらねじを締める必要があります。

また、力加減を間違えるとねじが部材に斜めに入ることになり、これを複数回繰り返すとねじ穴が広がってしまうため、しっかりとした締結ができなくなる可能性が高いです。

緩みにくいという性能を持つ反面、取り外しが難しく一度取り外すときつい締結が難しいことも多く、取り外しが多い部分での使用は避ける必要があるねじです。

ちなみに、手動でドライバーでねじ込むこともできますが、電動ドリルでねじ込むことが勧められます。

似たような用途では木ねじがありますが、木ねじが木材にしか使用することができないのに対して、タッピングねじは薄い材質であれば幅広い部材で使用することができるため、そのことからも広く使用されています。

プロからDIYでも広く使用される大きさのタッピングねじは、ホームセンターで販売されているほか、場合によりスーパーで取り扱っていることすらあります。

タッピングねじの寸法や形状というものは、JIS規格で細かく規定されており、標準部材として各種販売されています。

タッピングねじの頭部分で言えば、おもに皿頭タッピングねじナベ頭タッピングねじそしてトラス頭タッピングねじなどがあります。

タッピング主な種類

皿頭タッピングねじは、頭部が平らの皿状になっており、この頭部を部材に完全に埋め込んで使用します。使用時には頭部を埋め込むための下穴の加工が必要となります。

ナベ頭タッピングねじは、タッピングねじの代表格であり、もっともよく使用されている頭部形状です。

トラス頭タッピングねじは、ナベ頭タッピングねじよりも頭部の径(かさ)が大きく、強い締め付けを必要としている作業に最適な頭部形状と言えます。

タッピングの~種って何?

タッピング(タッピンねじ)には、1種・2種・3種・4種などの種類があります。

タッピングねじの、棒部分の寸法や形状によっても種類分けをすることができ、この部分の形状によっては使用するのに適している部材や状況が変わってきます。

ホームセンターなどで見かけるタッピングは、ほとんどが1種と呼ばれるものです。タッピングには、この他にB0(ゼロ)タッピンやB1タッピンなど変わった呼び方をします。以下に、呼び方の違いと特長をまとめておきます。

タッピングねじ1種

タッピングねじ1種とはAタイプやAタッピングねじなどとも呼ばれているねじであり、タッピングねじの中ではもっともピッチ(ねじ山とねじ山の間隔)が粗いねじです。

先端部分まで尖ってねじ山があり、先端部分の角度は45度となっています。

使用することができるおもな部材は、木材やハードボード、板厚1.2ミリメートル以下の薄鋼板、石綿などとなっています。

先端が尖っていて、ピッチがもっとも粗い。

1種(A種)下穴表

タッピングねじ2種

タッピングねじ2種とは、B-0やB0タッピングねじなどとも呼ばれているねじであり、先端部分から2から2.5山ほどがテーパーになっているねじです。

テーパーとは、棒部分が同じ太さのストレートではなく、先端部分を尖らせるまでは行かなくとも少し絞ることです。

また、ピッチはタッピングねじ1種よりも小さくなっています。5ミリメートル以下の薄鋼板や非金属、樹脂、硬化ゴムに使用するのに適しています。

タッピングねじ2種溝付きはB1タッピングねじタッピングねじ2種カット付きなどとも呼ばれており、タッピングねじ2種の先端部分の4分の1をカットしたねじのことをいいます。

カットした部分は刃の役割をしており、相手の部材を削っていきます。

先端は尖っていないが、テーパー状になっていて相手材に食い込む。

2種タッピンねじの先端に溝を付けたもの。

2種(B種)系下穴表

タッピングねじ3種

タッピングねじ3種とは、C-0タッピングねじとも呼ばれており、先端の2.5から3山がテーパーになっているなっているねじで、ピッチは小ねじと同じです。

構造用鋼や鋳物、非鉄鋼物を相手部材にすることに適しており、タッピングねじ2種よりも厚板に対応することができます。タッピングねじ3種溝付きはC-1タッピングねじとも呼ばれており、タッピングねじ3種の先端部分の4分の1をカットしたねじです。使用部材はタッピングねじ3種と同じものが適しています。

先端は、尖っていない。ピッチは細かく小ねじと同じ。

3種タッピンねじの先端に溝を付けたもの。

3種(C種)系下穴表

タッピングねじ4種

タッピングねじ4種は、ABタッピンともABタイプとも呼ばれており、タッピングねじ1種のように先端部分が尖っているうえに、ピッチがタッピングねじ2種と同じであるねじです。5ミリメートル以下の薄鋼板や厚板、非金属、樹脂、硬化ゴムの使用に適していますが、市場にはあまり出回っていません。

先端は尖っていて、ピッチは2種タッピンねじと同じ。

4種(AB種)下穴表

このようにタッピングねじには、さまざまな種類があるため、使用する際にはどの部分に使用するのか、どの部材に使用するのか、そして使用する部材はどれほどの厚さがあるのかをまず確認して、その部材にあうねじ頭とねじ部分の形状、首下の長さなどを選ぶ必要があります。

兄弟サイト、『DIY-ID』の「タッピングビスとは?木材に使っちゃいけないの?」という記事も合わせてタッピング選びの参考にどうぞ!

タッピングビスとは?木材に使っちゃいけないの? | DIY-ID

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