セメント、コンクリート、モルタル、およびアスファルトは、建築や土木工事において使用される材料ですが、それぞれ異なる特性と用途があります。
セメント
セメントは、主に石灰石や粘土を焼成して作られる粉末状の材料です。水と混ぜることで硬化反応(水和反応)を起こし、コンクリートやモルタルの成形や接着に使用されます。
乾燥して固まるのではなく、水と反応して硬化するのがポイントです。
セメントにも多くの種類がありますが、主に建設材料として使用されるのは、ポルトランドセメントと言われるものです。
コンクリート
コンクリートは、セメント、砂、骨材(骨材は一般的に砂利や砂を指す)などを水と混ぜて作られる材料です。
セメントが硬化すると、コンクリートは強固な結合材料となります。コンクリートは建築物や構造物の建設に広く使用され、基礎、柱、梁、床などの構造部材として重要な役割を果たしています。
圧縮強度には、強いですが、引張強度は弱いため、建造物などで使用する場合は鉄筋を入れて鉄筋コンクリートとして使用されています。
ビルや、ダムなども鉄筋コンクリートでできています。
モルタル
モルタルは、セメント、砂、水を混ぜて作られる建築材料です。
モルタルは、砂を骨材としてセメントの割合が高いため、強度が低く、強度的な規格がありません。配合分量も経験則で決定されます。
強度が低いため、構造体としては使用されず、石積みやレンガ積みなどの接着剤や目地として使用されます。また、細骨材のため、仕上げ面が良好なため、建物の外壁や内壁の仕上げや修復にも利用されます。
アスファルト
アスファルトは、石油を精製してガソリンなどを取り出す際に抽出されます。アスファルトは、単体で使用されることはなく、砂利や砂などの骨材と混合して舗装材料などに使用されます。
熱で融解する性質があるため、骨材を混ぜるときは、160℃程度に熱してから混ぜ合わせます。実用強度となるのは、50℃程度に冷めてからです。
アスファルトは主に道路や駐車場などの舗装に使用され、耐久性と摩擦特性を持っています。熱で溶かされて施工されるため、柔軟性があり、道路の表面をなめらかに保ちます。
アスファルトにアンカーは使えない
アスファルトは、熱で溶解します。そのため、夏の暑い日には柔らかくなる特性があります。また、交通量の多い道路であっても、アスファルト層の厚さは、10~15㎝程度。歩道や小型の駐車場であれば、3~4㎝程度と薄いため、アンカーは効果がないものとされてきました。
ただ、アスファルトに固定したいものもあります。
たとえば、駐車場の輪止めや、ポールなど。これらのものを固定する手段は、下地の土壌に長い杭を打ったり、接着したりするものでした。
そこで、アスファルトに使えるアンカー『アスファルト用ねじアンカー』が開発されました。
軽量のものであれば、これで固定できます。夏のアスファルトを想定した試験も実施済みです。唯一のアスファルトに効くアンカーかもしれません。
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まとめ
セメント・コンクリート・モルタル・アスファルトは、同じように見えて、結構な違いがあります。
これらの材料は、それぞれの特性と目的に基づいて使用されます。セメントは基本的な材料であり、コンクリートやモルタルの主成分となります。
コンクリートは強固な構造材料として使用され、モルタルは接着剤として使用されます。
一方、アスファルトは道路の舗装に適しています。
強度も違えば、特性も違うので使用できるアンカーも違います。同じアンカーが使えたとしても、引き抜き強度も違ってくるので、注意が必要です。
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