豆知識

インチ→ミリ換算表

インチサイズからミリサイズへの変換方法

インチ→ミリ換算表

DIYや仕事でねじを使う人は、ねじの型番に「M」や「UNC」などの記号が記載されているのを見たことがある方もいらっしゃるかと思います。

ねじの型番で「W」と記載されているものは、ウィットねじ(ぶねじ)と呼ばれています。ウィットねじは、イギリスで昔使用されていたねじの規格です。

特徴は山の角度が55度であることです。ユニファイ(UNC/UNF)と呼ばれるねじは、ねじ山の角度が60度になっています。ウィットねじとユニファイねじは、インチ単位を基準としており、見た目が似ているので見分けるのは難しいです。

1インチ(=2.54cm)辺りのねじ山数は同じですが、2分の1インチだとウィットねじは12山、ユニファイねじは13山と違いがあるのです。

そのため、ウィットとユニファイは使い分けなければいけませんが、融通の利くユニファイの雌ねじの場合、ウィットの雄ねじが入るときがあります。

ウィットねじの表記は「W○○」と記載されます。

例えば、「W1/4」と表記されるのです。規格も正確に決まっており、「W1/4」のねじでは、1インチ辺りのねじ山数は20山、1山辺りのピッチ(長さ)は1.27mmなどです。

他にも、雄ねじなら外径や有効径なども決められていますし、六角頭の対辺の長さも決められています。表記を見れば、自分が使いたいウィットねじのサイズを見分けることができるのです。

ねじの日本式の読み方もあり、ユニファイの場合「No.○」と数字で表しますが、「○吋(いんち)○分(ぶ)○厘(りん)」で表します。例えば、「W1/8」では「1分」、「W1/4」では「2分」といいます。「W1/4」がなぜ「2分」というのかは、W1/8が1分と決められているので、約2倍のピッチであるW1/4は2分になるのです。

そのため、W1/8の3倍のピッチである「W3/8」は「3分」、W1/8の4倍のピッチである「W1/2」は「4分」となります。

ねじにはJIS規格が決められており、メートルねじやユニファイねじにも採用されていますが、ウィットねじは1965年に廃止されています。しかし、建築現場や水道関係の現場では長年使用されているねじです。

ウィットねじの歴史は古く、1841年にねじ量産のため、山の角度を55度にするなどの独自規定が公表されました。その規格を決めたのが「ウィットウォース(ジョセフ・ホイットワース)」で、「ウィットワースねじ」の規格が英国の国家規格にまで普及しました。日本には1857年にウィットウォースが改良したねじ切り用旋盤が輸入されました。

その後もウィットウォースの規格が基準となり、「セラーズねじ」や「インチねじ」と発展していきます。ウィットねじは、ねじの大量生産を可能にした基準のねじなのです。

ウィットの規格が使用されているねじは、六角ボルトや丸ねじなど多数あります。また、ウィット専用のねじ切りもあるので、建築現場などで仕事をする人は、ウィットねじの現場での呼び方などを覚えておくと、仕事をスムーズに進めることが期待できます。

また、呼び方を知らなかったり、規格の見方を誤ったりしてしまうと、ねじ穴にねじが合わない可能性があるので注意が必要です。また、ねじ穴の規格が違うのに、ウィットねじが入る場合もありますが、できれば同じ規格の方が雄ねじと雌ねじの相性はいいのです。ねじが入っても、ねじ同士がしっかりと接触しておらず、摩擦力が小さくなってしまいます。

また、規格が同じなら、芯がでて強くなりますが、規格が違うと芯がでなくなり接合が弱くなってしまう可能性があるのです。あくまで、規格が違うねじが入っている状態は、ただ入っているだけの状態なので、頑丈に締結や接合したい場合は、規格を統一することが大切です。

ウィットねじのメリットは、ねじ山が55度であり、他のねじの規格である60度よりも鋭利であるところです。鋭利である分、多少のごみ等がついても締結をしやすいと考えられており、効率が求められる仕事の現場では、未だに使用されているねじの規格なのです。

海外製品に使用されているねじは、メートルねじやユニファイねじが多い傾向にあります。また、ホームセンターで売られているねじもメートルねじが多いでしょう。個人で使用する場合には、JIS規格が決められているメートルやユニファイが手に入りやすくおすすめですが、ウィットねじも一般の方が手に入れやすくなっています。

業務用製品が置いてあるホームセンターも増え、インターネットでもウィットねじの購入がしやすくなったので、気になる方は調べてみると良いでしょう。

ウィットワースの規格が建築現場で使用されている例として、管用ねじにはウィットねじ同様にねじ山が55度の角度を持っています。管用ねじは、水道管などの配管類や管用部品を接続・結合する役割があり、「管用平行ねじ」と「管用テーパねじ」があります。この二つはJIS規格でも、ねじ山が55度と決められており、ウィットねじの名残があるねじといえるでしょう。

ウィットねじは長い歴史のなかで、ねじの基準となり、いまでもプロの現場で使用されている規格です。建築業界に関わっていない方は聞き慣れないねじの名前かもしれません。もし修理などでねじが紛失してしまい、ユニファイねじが合わない場合は、ウィットねじの可能性を疑ってみてはいかがでしょうか。

ウィットねじは、下記のような表記方法をします。あまりなじみの無い表記なのですが、ミリに換算すると下記のようになります。ここでは、一般的な読み方も合わせて掲載しておきます。建築関係の職人さんや、ねじ関連の業者は、こんな呼び方をしています。基準は1”(インチ)約25.4mmになりますので、これを覚えておけば計算で換算することもできます。

表記読み方ミリ換算(約)
1/81分(イチブ)3.175mm
5/32(サンニノゴ)3.969mm
3/161分5厘(イチブゴリン)4.763mm
1/42分(ニブ)6.35mm
5/162分5厘(ニブゴリン)7.938mm
3/83分(サンブ)9.525mm
1/24分(ヨンブ)12.7mm
5/85分(ゴブ)15.875mm
3/46分(ロクブ)19.05mm
7/87分(ナナブ)22.225mm
1”(インチ)25.4mm
1”1/8(インチイチブ)28.575mm

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