全ねじと半ねじ使用時の区別
全ねじと半ねじ
首下までねじがあるタイプの全ねじ、首下にねじが無いタイプ(ねじが無い部分を円筒部と呼びます)を半ねじと呼びます。
全ねじを使用した場合に生じる不具合
サンドイッチパネルの固定やカバー工法のように、下地鋼材から離れた位置に鋼板(上板)がある場合は下地鋼材へのドリル行程中にねじが上板にかかります。
↑↑切り刃部とねじ部ではねじ1回転で進む距離が異なります。
この際、ねじが1回転するごとに上板をねじ1ピッチ分浮かそうとします。上板が柔らかくて(薄い)上方向に変形する場合は「浮き」となり、変形しにくい場合は逆にねじを下地鋼材に押し付ける形になり、切り刃への負荷が増大し「焼き付き」や「切り刃折れ」が生じます。
↑↑上板の浮きが生じます。
↑↑切り刃負荷増大し焼き付きや折れが生じます。
このような現象を防ぐために半ねじを使用します。
ノッチ
タッピング工程のねじ山と下地板の摩擦抵抗を低減するため、用途に応じてノッチ(切欠き)を設けます。
厚板用ねじ
H鋼などの厚板用のねじにはタッピングトルクが小さい細目ねじを採用し、さらに全体にノッチ加工をします。