ドリルビスの各部の名称
・メーカーによって若干呼び方は異なる場合はありますが、だいたい各部こんな感じです。
「t」とは、板厚を表す記号です。tは英語の「thickness(厚み)」の、頭文字をとった記号です。建築では、特に断りなく「t」を使います。tと書けば、厚みのことを言います。
一般的なタイプのドリルビスの適応板厚
標準的なねじの太さと長さのドリルビス(パイロット付き、リーマ付きは除く)の適応板厚の一覧です。
呼び径 | ねじ長さ | 適応板厚 |
3.5mm | 10mm | ~t1.6 |
13mm | ~t2.3 | |
4.2(4)mm | 10mm | ~t1.6 |
13mm | ~t2.3 | |
16mm~ | ~t3.2 | |
4.8(5)mm | 13mm | ~t2.3 |
16mm | ~t3.2 | |
19mm~ | ~t4.0 | |
6mm | 19mm | ~t3.2 |
25mm~ | ~t6.0 |
※適応板厚とは「ドリルビス」で下穴を開けて、ねじ山を生成して、締結可能な状態にできる板厚のことです。
■適応板厚の確認方法
【鋼板を重ねた場合】
「t1+t2」が適応板厚になります。
例えば、鋼板の厚さがt1=0.6mm、t2=2.3mmだったとすると、合計の板厚が2.9mmなので「太さ4.2mm×長さ16mm」、「太さ4.8mm×長さ16mm」「太さ6mm×長さ19mm」いずれかのドリルビスを選べば良いということになります。
【鋼板を重ねた上部に先穴があいている場合】
下の鋼板の厚さ(t)が適応板厚対象となります。
【上部鋼板と下地鋼板の間にボード類もしくは隙間がある場合】
上部鋼板+ボード(もしくは隙間)+下地鋼板が適応板厚対象となります。
【上部鋼板に先穴があいている場合またはボード類が硬質で、めねじが形成される場合】
ボード+下地鋼板が適応板厚対象となります。
まとめ
ドリルビスの各部名称の紹介と、一般的に使われるドリルビスの適応板厚のご紹介をしました。
一般的に適応板厚と言っても条件によってどの部分の厚さ(ボード板なのか、鋼板なのか)を板厚としたら良いのかが変わってきます。
さらにパイロット付きやリーマ付きのドリルビスになると、適応板厚の上限が一般のドリルビスのものとは異なったりします。
また、ドリルビスには色々な頭の形があったり、ドリル部の切り刃先フルートと呼ばれる場所の形によって、薄板用なのか、厚板用なのかが変わってきたりします。
この辺りはまた別の機会に紹介できればと思っています。
ドリルビスは、知れば知るほど、調べれば調べるほど奥が深いなぁとつくづく思います。